このコースでは、人間や社会の特性の科学的な理解に基づいて、私達の身の回りに存在する様々な「モノ・コト・仕組み」をデザインすることに興味・関心がある生徒を待っています。
Design & Mediaコースでは、人間や社会の特性を科学的に分析・理解し、最先端の科学技術を活用して、人間がより豊かで幸福な生活を送ることができるような生活環境や情報空間(メディア)をデザインすることに関するテーマに取り組みます。具体的には、人間が持っている運動機能,視覚,聴覚の特性を科学的に評価・分析する方法を学ぶ一方で、私達の社会や日常生活に潜む問題を発見し、解決策をデザインする方法について、実践的に学びます。
コンテンツ環境デザイン、AI、ソーシャルコンピューティング
生成AIとメディア体験
AIの代表的な手法の一つである深層学習について基本的な原理を学習します。また、画像や文章を生成する生成AIの仕組みや利用方法を学習します。そして、生成AIを利用して、役新しいメディア体験を実現するコンテンツ環境を実現する手法について研究します。
国内学会発表
色彩・視覚科学
色覚の多様性から色彩デザインおよび色彩教育を考える
このテーマでは、色覚の多様性に対応するための色彩デザインにはどのような知見が必要なのか?を考え、その知見を得るための実験を立案します。または、色彩教育において、色覚の多様性の教育はどうあるべきかを考え、その教育方法をデザインします。
国内学会発表、共著論文投稿
未来構想デザイン
「未来」をデザインする。問題提議と解決設計と社会実装 〜お金のためのデザインから、豊かになるためのデザイン〜
経済や社会が成長している時代では、解決すべき具体的な対象や問題が明確でした。しかし、最近の社会では問題が複雑でそもそも何が問題かわかりにくい状況が多々あります。例えば、プラスチックの問題、LGBTsの問題、災害、貧困や子育て、認知症や感染症対策、SDGsなど問題があることは皆わかっているのですが、それがどんな構造でどんな意味か難しく気づきにくいことが増えてきています。
未来構想デザインでは、そういったことを提示・表現し、そして設計・実践し、社会に実装していくことを研究していきます。
例えば、アートやデザインの表現法や思考法、デザイン哲学や芸術社会学の概念や事実を理解する方法、生命科学や情報科学に基づく先端の科学的方法を総合的・融合的に学びます。
国内学会発表, デザインコンペ応募,社会実装 また、デザインは到達目標へのプロセスが極めて重要です。・福岡県内の自治体でのリサイクルや環境活動調査のフィールドワーク ・質的量的調査、行動分析・行為分析の方法取得・動画解析の演習に基づく九州大学大橋キャンパス)での演習 。工作工房(九州大学大橋キャンパス)でのデザイン制作演習 ・論文、企画書の記述の仕方、プレゼンスライド表現方法の取得 など、代表教員中心に進めるが、それぞれの専門領域においては芸術工学部未来構想デザインコースの教員全体で協力してすすめていきます。
音響学
音環境の評価とデザイン
このテーマでは、身の回りの音環境について、その量的評価方法と質的評価方法を学び、ます。その実践とともに、よりよい音環境の実現のためのデザインを提案することを考えます。
量的評価としては、サウンドレベルメータ(騒音計)による環境騒音評価法を学びます。質的評価のために、サウンドスケープの考え方、音環境デザインについて学びます。さらに、騒音としての観点とデザイン対象としての観点を総合して、音環境について討論しながら考え、それを評価・設計することを目指します。
国内学会発表、国際学会発表
音響学
スピーカの特性評価: 音場の価値を高めるために
スピーカは,音の電気信号を音波に変換するデバイスです。スピーカの性能評価手法は,いろいろな規格が定められています。それらの手法を理解し,さらに、今ある規格に基づいて,新しい規格を提案していくことも必要です。本研究テーマでは,様々な変換方式のスピーカを題材に,電気特性,音響特性(周波数特性,指向特性),音場の性質を評価します。それらのデータを基に,スピーカの性能について考察します。たとえば、方式の異なるスピーカを使い分け、音場の価値を高める音響設計技術の確立を目指します。
国内での学会発表を目指します。
インダストリアルデザイン、プロダクトデザイン
これからのインダストリアルデザイン
社会実装を目指した実践的な製品やサービスのデザイン開発を通じて、これからの社会におけるデザイナーの役割、デザイナーに求められる能力、デザインの考え方など、次代のインダストリアルデザインに必要な事柄について考えます。
社会実装(商品化)、デザインコンペ入賞
時間生物学
花時計のデザイン
私たちは1日に1回寝起きをしますが、これはヒトの体にある体内時計によって引き起こされる現象です。18世紀の分類学者リンネは、植物も同様に体内時計をもち、さまざまな時間に咲く花をみつけました。また花のもつリズムを利用すれば時計がつくれるだろう(リンネの花時計)というアイデアを述べています。
時計もなしに花はどうして現在時刻がわかるのでしょうか?現代の植物時計学者はこの謎に迫ろうとしていますが、はっきりとしたことはまだわかっていません。数学と実験による観察を通して200年前の謎に迫ってみたいと思います。
国内外の体内時計の学会で発表を目指したいと思います。
アートマネジメント、文化政策、障害学
多様なままで共にいられる社会をデザインする
障害のある人など、マイノリティの立場におかれている人たちも、そうでない人も、多様なままで共にいられる社会はどのようにしたらできるのかを考えます。特にアート・デザインを活かした方法について先行事例を学習し、自らの問題意識に基づいた考察を行うことを目指します。
国内学会発表など
ユニバーサルデザイン、ソーシャルデザイン、デザイン思考、SDGs
デザイン手法を活かした社会実装の可能性
No one will be left behind (誰一人取り残さない)という理念に基づき、多様性を尊敬しながら共にデザインし、共に成長する仕組みづくり、社会実装の手法や可能性を研究しています。
成果の学会発表や共著論文投稿。
レーザーを用いた計測科学
身近な香料を測ってみよう
香料は身近な食品や石鹸類などあらゆるものに含まれています。例えば、脂肪酸メチルエステルは果物などの香気成分ですが、近年、バイオ燃料としても注目を集めています。ここではフェムト秒(10-15秒)のパルス幅をもつ超短パルスレーザーを用いて分析する方法を研究します。
国内外の分析化学の学会での発表を目指します