コース概要

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コース詳細

Energy & Information

「エネルギーと情報」コース

このコースでは、地球環境を守ることや、情報処理技術に興味・関心のある生徒を募集します。
Energy & Informationコースでは、エネルギー問題の解決や、情報処理技術の向上などを科学の力で如何に克服していくかを焦点に研究していきます。例えば、無駄に捨てられている熱を電気エネルギーとして回収することのできる熱電発電材料の研究や電気抵抗をゼロにする超伝導体を用いた大電流送電技術の研究を行います。材料合成やデータ処理を自ら行い、メカニズムの理解から高性能化へのヒントを導き出し、より高度な技術の開発を行ってもらいます。

教員紹介

  • 宗藤 伸治
    大学院工学研究院 材料工学部門
  • 専門分野

    半導体工学

  • リサーチテーマ

    ゼロエミッションへの挑戦 ~排気ガスからエネルギーを生む~

  • リサーチテーマの概要

    エンジンなどの内燃機関では、燃料の70%を最終的には熱として捨てているのが現状である。このムダに捨てられている熱エネルギーを回収することは大変重要である。その方法の1つにゼーベック効果を用いる方法があげられる。ゼーベック効果は約200年前に見つけられた効果であり、物体内に温度差を与えた場合に、その高温部と低温部に電圧が生じる物理現象である。しかしながら、ゼーベック効果では低温部分を低温に維持するために、冷却が必要である。つまり、原理的に、熱エネルギーを回収するために熱を捨てる必要があり、変換効率は10%未満である。「さて、200年前の古い考えに縛られずに、若い諸君ならどうするか?」をテーマに、新規材料を開発・合成する研究を行う。

  • 到達目標

    既成概念に囚われない柔軟な考えができる人間形成

  • 寺西 亮
    大学院工学研究院 材料工学部門
  • 専門分野

    薄膜工学、無機物質化学、酸化物超伝導体

  • リサーチテーマ

    永久電流、電気抵抗ゼロの世界 ~-196℃で躍動する超伝導体~

  • リサーチテーマの概要

    2027年に実⽤化されるリニアモーターカーや病院の検査で使われるMRI装置、実はどちらも共通したある技術が使われています。それは「超伝導技術」です。
    「超伝導」とは、超伝導体とよばれる物質を極低温に冷やすと現れる特殊な性質のことで、代表的な性質は電気抵抗ゼロです。
    本テーマでは、希⼟類系超伝導体と呼ばれる酸化物超伝導体を⽤いて、液体窒素(窒素を液化したもの; -196℃の液体)や永久磁⽯を⽤いた実験を通し、超伝導の特性を体得します。
    そして、超伝導体の性質を世の中の産業に応⽤することを⽬的として、電気抵抗ゼロで超伝導体に通電できる性能の⾼度化や性能の違いのメカニズムをテーマにした研究に取り組みます。

  • 到達目標

    研究テーマの背景や⽬的を理解し、そして実験⽅法の計画の仕⽅を学び、得られた結果の正確な解析・評価⽅法を習得します。また、実験結果に対する⾃分の考え(考察)を他⼈に説明する仕⽅を学習します。 研究発表会に参加して、研究の成果発表を⾏うことを⽬指します。

  • 永長 久寛
    大学院総合理工学研究院 物質科学部門
  • 専門分野

    触媒化学

  • リサーチテーマ

    賢者の石「触媒」で地球環境を守る

  • リサーチテーマの概要

    喫緊の課題であるエネルギー・環境問題を解決する上で「触媒」は不可⽋です。再生可能エネルギーの利用やリサイクル、資源循環など、地球環境を守り、持続的社会を築くための考え⽅を「触媒」を通して学びます。

  • 到達目標

      

  • 波多 聰
    大学院総合理工学研究院 物質科学部門
  • 専門分野

    電子顕微鏡、物質、材料、固体物性、結晶

  • リサーチテーマ

    研究開発における電子顕微鏡

  • リサーチテーマの概要

    原子レベルのミクロな姿を見せてくれる電子顕微鏡は、物理・化学の基礎研究から、物質・材料の研究開発、バイオ、地球科学、天文学、各種製造業にいたる様々なところに活躍の場があります。また、自動車や携帯電話のように、電子顕微鏡も常に進化し続けています。日本は電子顕微鏡を製造する国として主要な位置を占めており、若い世代へ電子顕微鏡の技術を受け継いでいくことも重要です。この講義では、電子顕微鏡による研究開発に興味をもつ学生を対象に、電子顕微の初歩から最先端までをわかりやすく紹介します。

  • 到達目標

    興味ある研究分野で電子顕微鏡がどのように用いられているかを調べ、理解し、さらに電子顕微鏡の将来について考えることができる。

  • 金谷 晴一
    大学院システム情報科学研究院 情報エレクトロニクス部門
  • 専門分野

    無線通信、電子回路

  • リサーチテーマ

    飛んでる電波を電気に変える~電波エネルギーハーベスト~

  • リサーチテーマの概要

    IoTの時代、スマートフォンやWi-Fi、デジタルTVなど通信や放送に用いられる電磁波が空間に溢れています。このような電磁波を使って、太陽光や風力発電など自然界に存在するエネルギーを電気に変えられるのと同様のことができないか、検討します。もしこれらの電磁波を集めて電気に変えることができたら、いろいろな電子回路を電池無しで動かすことができますし、新しい再生エネルギーとなりうるかもしれません。自然界に存在するエネルギーを電気に変えることを「エネルギーハーベスト」と言います。エネルギーハーベスト回路の基礎となる電子回路とアンテナの知識を学びます。

  • 到達目標

    電子回路の設計・試作・実験・評価ができる。 電気の知識で将来のエネルギー問題を解決できる人になってほしい。

  • 山田 泰広
    大学院工学研究院 地球資源システム工学部門
  • 専門分野

    資源エネルギー工学

  • リサーチテーマ

    SDGsから今後のエネルギーを考えよう!

  • リサーチテーマの概要

    私たちの普段の生活は膨大な量のエネルギーによって支えられています。いま、地球では何が起きているのでしょうか?どのようなエネルギーをどのように使えば地球に優しいのでしょうか?より良いエネルギー資源を探して、より良く使うための科学と技術について、実験・データ解析・数値シミュレーションを駆使して、一緒に研究しましょう。研究の対象は地球以外にも広げたいと考えています。

  • 到達目標

    地球環境に興味を持ち、具体的に何がどのように問題なのか、それに対して何ができるか、自分の考えを持つこと。そして、それに沿って行動を始めること。研究の成果を学会などで発表できることを目指します。

  • 山本 直嗣
    大学院総合理工学研究院 エネルギー科学部門
  • 専門分野

    航空宇宙工学

  • リサーチテーマ

    イオンエンジンの代替推進剤の探索

  • リサーチテーマの概要

    惑星探査機などのエンジンであるイオンエンジンのほとんどはキセノンを推進剤(燃料)として使っています。しかしながらキセノンは非常に高価であり、貯蔵も大変です。そこで、キセノンに代わる新たな推進剤を探します。新しい推進剤を使ってイオンエンジンを動かし、その性能を評価します。

  • 到達目標

    ものづくりの楽しさや苦しみを体験し、正解がない問題に取り組む面白さを経験することが目標です。

  • 尾崎 明仁
    大学院人間環境学研究院 都市・建築学部門
  • 専門分野

    建築環境・設備

  • リサーチテーマ

    人と環境に優しい都市・建築を創る ~Building Physics~

  • リサーチテーマの概要

    建築環境・設備学は、物理現象に即して、熱・光・空気(物質)・音・水・人間などに分類されます。私は、特に熱力学と熱・物質移動論を基にした建築機能デザイン(エコロジー建築や省エネルギー建築など)およびComputer Scienceを得意としています。簡単に言えば、快適性・耐久性・省エネ性などに優れた建物を、伝熱理論を駆使して科学的に設計するということです。専門的には、建築各部の熱流や物質流などを位置や時間を含む変数として偏微分方程式で表現し、それを実行可能なプログラムコードに変換して、気象条件(境界条件)の基で解いて居住環境を評価しています。
    建築は人為的な構築環境の産物です。この人工環境は、人体系と建物系と設備系から成ります。快適な空間を形成するには、人体系の生理・心理的要求に応じて、建物系の熱・光・空気・音などの環境要素をパッシブにデザインし、さらに設備系によってアクティブにコントロールすることが必要になります。人間生活や住まいの目的用途に対応して、建築内外の環境要素と設備機器を一体化し、最小限の機械制御により生活の利便性を向上させる空間システム学の構築と、そのガイドラインとなる建築機能デザインを目指しています。

  • 到達目標

    学会発表など

  • 住吉 大輔
    大学院人間環境学研究院 都市・建築学部門
  • 専門分野

    建築環境・設備

  • リサーチテーマ

    カーボンニュートラルを実現する建築・都市の探究

  • リサーチテーマの概要

    脱炭素社会の実現に向けて建築・都市の省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入が求められています。また、建築を利用する居住者の省エネ行動の促進も必要です。今後の建築・都市のあり方や居住者の行動変容について計測や実験を通して探究します。

  • 到達目標

    学会発表など

  • 光原 昌寿
    大学院総合理工学研究院 物質科学部門
  • 専門分野

    高温、金属、強度、強化、火力発電

  • リサーチテーマ

    高温材料が拓く未来 ~火力発電のキーマテリアルズ~

  • リサーチテーマの概要

    自動車、食器、パソコン、携帯電話などに利用される材料は身近に感じると思いますが、それ以外にも、普段は目にしない、でもとても重要な材料はたくさんあります。例えば、電気エネルギーを作り出すために利用されている材料がそうです。現在、日本では、火力発電によって80%以上の電気が作られています。そのため、火力発電を支える材料は、私たちの文明を支えていると言っても過言ではありません。本授業では、火力発電の仕組み、現状の問題点、未来の技術、それらを実現するため開発されたキーマテリアルズに秘められた材料科学テクノロジーを紹介します。 

  • 到達目標

      

  • 池田 大輔
    大学院システム情報科学研究院 情報学部門
  • 専門分野

    情報学

  • リサーチテーマ

    「情報」の科学 〜情けを報せるとは〜

  • リサーチテーマの概要

    スマホやSNS、ネットで様々な情報に触れていますが、「情報」をよく見ると「情けを報せる」と読めます。
    本テーマでは、データやシミュレーションを用いた情報学の研究を紹介しつつ、一般とは違う観点から「情報」の本質にせまり、「情けを報せる」ことがどういうことか明らかにします。
    本テーマ自身が「情けを報せる」実践でもあります。

  • 到達目標

    不確実な目的を作り、これに向かって進むことができ、対立する意見を持つ人に成果を伝えようとするマインドを持つこと。

  • 中野 道彦
    大学院システム情報科学研究院 電気システム工学部門
  • 専門分野

    静電気生物応用

  • リサーチテーマ

    静電気力で細菌やウイルスを検出

  • リサーチテーマの概要

    本テーマでは、物理(電磁気学)で学ぶ「クーロン力」を取り上げます。電場中に置かれた電荷に作用する力のことをクーロン力といいます。クーロン力は、様々な産業に利用されていますが、本テーマでは、細菌やウイルスの検出への応用について研究します。ここでは、クーロン力と共に「分極」と呼ばれる現象についても学び、それら用いた細菌やウイルスの検出法について研究します。分極現象によって、検出対象に電荷を生じ、それをクーロン力で操作して検出します。
    検出対象を決め、クーロン力を用いた手法でどの程度の検出感度があるのかを実験的に確かめます。測定のための計測器自動制御についても学びます。研究成果を国内学会発表することを目指します。

  • 到達目標

    静電気力を用いた細菌やウイルスの検出のための理論を学び、検出実験およびその結果の考察を行う。国内学会発表を行う。

  • 峯 恒憲
    大学院システム情報科学研究院 情報知能工学部門
  • 専門分野

    人工知能、データマイニング、情報推薦、自然言語処理

  • リサーチテーマ

    データを収集・分析し、役に立つ情報を発見・活用する

  • リサーチテーマの概要

    自分の身の回りにある情報(新聞記事、TV報道、WebやSNSに加え、学校や登下校時、クラブ活動などで、良く目にしたり、気になったりする情報)に着目し、その情報の事実関係を調べたり、その情報と関連する、自分もしくは誰かの役に立つ新たな情報を発見したり、活用したりする方法について研究を行います。
    この研究において最も重要な点は、どのような情報を扱うか、その有用性を分析し、判断し、まとめる視点です。そのため、情報の収集や分析を手作業で行いながら進めても構いません。ただ、手作業では収集、分析できる情報の量が限られてしまうのが難点です。その点に着目し、手作業で収集、分析し、判断することの問題点について考え、より効率的に行う方法について研究してみることも良いテーマとなります。 WebやSNSのデータを対象に、これらの情報の収集や分析を行ったり、分析結果の有用性判断を行う機械学習モデルの構築などを行ったりするプログラム開発はその一例となります。自分でプログラム開発ができない場合でも、上記を実施するツールを見つけ、利用することでもできます。研究で利用する情報の選定や手法の選択自体は皆さん次第ですが、その選定に迷うこともあるでしょう。その迷いの解消を支援する仕組みの開発も良いテーマとなります。
    自由な発想での、面白い研究視点の提案を待っています。

  • 到達目標

    データの収集・分析・活用方法を学び、理解し、その応用技術を身に着けるとともに、論文としてまとめる。