高校生のみなさん、こんにちは。
九州大学で、高校と大学との連携などを担当している理事の園田佳巨です。
「九州大学未来創成科学者育成プロジェクト(QFC-SP)」は、将来グローバルに活躍できる優れた科学技術人材を育成するため、
高い意欲・能力をもった高校生に、九州大学のさまざまな分野の研究室において、高度で実践的な研究を体験し、
その意欲・知識・技能をさらに伸ばしてもらうことを目的とする高校生対象の教育プロジェクトです。
九州大学では、平成26年度および平成30年度に国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「グローバルサイエンスキャンパス」に選ばれ、 九州・山口の科学分野に傑出した資質を秘めた高校生を受け入れ、本格的な教育プログラムを実施し、高校生が大学レベルの研究テーマに取り組んでいます。 さらに、令和4年度からは、九州大学独自のプロジェクトとして、プログラムの内容をより充実させて実施し、これまでに500名を超える高校生が、本プログラムから巣立っていきました。
みなさんの中には、高校の授業やクラブ活動を通して「科学」に興味がある方がたくさんいることでしょう。 大学での研究は、あなたの潜在能力を自ら鍛えながら、自ら切り拓くものです。 今、高校で学んでいることの意味に気づき、進路を考える上で、きっと視野が広がることでしょう。
世界には、まだ解明されてないことや社会の課題が無数にあり、科学的思考のもとに課題解決する能力が必要となっています。 皆さんの中にある「科学」への興味が、世界に羽ばたく未来の科学者の第一歩になると信じています。
いま、私たちの世界は急速なスピードで変化を遂げながら、常にその姿を変えつつあります。社会の仕組みや枠組み、世界の人々のつながりや行き来も、また、私たちの生活スタイルや私たちの住む地球環境も、その変化と決して無縁ではありません。
その一方で、科学・技術の発展や私たちの活動そのものが、様々な解決すべき地球規模の課題も生み出しています。環境への課題、地球温暖化への課題、また、エネルギー供給への課題、将来的な食糧不足への課題など、相互に関連を持つ世界規模の課題の解決へ向けて、私たちは叡智を絞らなくてはならない時代になっています。
このためには、鋭い課題意識を持ち、その課題解決へ挑む姿勢を持つ優れた科学者であるだけではなく、同時に、人間や社会を理解し、豊かなコミュニケーション能力を身につけ、周囲と協働しながら、私たち人類の将来について考えることのできるような、新しいタイプの科学者-世界に羽ばたき、未来を創生する科学者-の育成が期待されます。QFC-SPは、"新しいタイプの科学者"を目指す意欲と志と熱意のある高校生に、その第一歩を踏み出す場を提供したいと考えています。この一歩を踏みしめ、大学では高い志を持つ学びのなかで、二歩、三歩、・・・と前へ進んで行くことを期待しています。
私たちは、QFC-SPに参加する皆さんがより大きな、力強い一歩を踏み出してくださるように、そのお手伝いをしたいと願っています。